アプリオリの終焉とアポステリオリの実装


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アプリオリ(a priori)とは、経験に先立つものと定義されており、平たくいうと絶対的なものという意味として認識されています。

神学を初め、数学、物理学、哲学など、西洋社会はまさにこのアプリオリを前提に進歩してきました。これは生物が最適化と淘汰を繰り返し、より優れた個体になっていこうとする生物の進化に通ずるものがあります。そしていつの間にか、人間は完全なものがこの世に存在するという確信を抱くようになりました。

しかし、ゲーデルの不完全性定理発見以降、その確信はただの幻想であることがわかりました。これは何も数学に限らず、物理学、哲学でも同様な学術的結論に至っています。21世紀の大前提となっているといっても過言ではありません。すでに神が存在する時代は終わったにも関わらず、未だに私たちの心の中には神が生きています。頭では絶対的な物はないという知識を持っていたとしても、残念ながら身体にその事実が落ちていません。そしてその事実を身体に落とすことこそが、本テーマの目的であるアポステリオリ(a posteriori)の実装です。

日本に住む私たちは、本当はアプリオリとは真反対な文化を築いていたはずでした。しかし明治維新以降、西洋の実学を輸入する際に、それらの学問と一緒にアプリオリを取り入れることになります。しかしもう私たちは21世紀を生きており、次のパラダイムへ移行しないといけません。私たちは経験と観測なしには世界を捉えることができないのです。この世の全ては不完全であり、自分さえも不確定であります。

その事実をきちんと受け止め、身体に落とし、そしてこの講座が自分の新しい扉を開く一歩となることを心から願っています。

<<講師>>
文野 義明(ふみの よしあき)


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